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ずっと愛され続けるパンケーキ

お茶と喫茶文化

パンケーキが好きな人は多いでしょう。カフェに入って休日や休み時間をゆっくり過ごしたいと考えている人も沢山いるのではないでしょうか。そういった心づもりで入ったカフェの中で、注文するメニューは飲み物だけではないかもしれません。誰もが大好きなパンケーキを寛ぎタイムの中心に据えて、朝の少しの時間や午後のひと時を満喫することもできるでしょう。

では美味しいメニューと過ごしやすい空間を提供してくれるカフェは、いつの頃から人々の間に定着するようになってきたのでしょうか。コーヒーが初めて日本に伝わってきたのは今よりももっと古い時代でした。その頃にはまだカフェという場所は存在しておらず、近いお店で言えばお茶屋と呼ばれるようなものがあった程度でしょう。

そこで出されるメニューは現在のカフェの日本版のようなものであり、日本茶と和菓子が基本だったはずです。パンケーキのようなふわふわのお菓子は存在しません。むしろその時代のお菓子と言えば、和菓子以外をほとんどの人が知らなかったのではないでしょうか。大福やお団子を片手に日本茶をすするというお茶屋の文化が、今でいうカフェの原型だったのかもしれません。

そこから時代は流れに流れ、茶屋と呼ばれるお店の方が少なくなっていきました。パンケーキが人々の目にしばしば触れるようになった頃は、若者たちの立ち寄るお店と言えば喫茶店だったはずです。喫茶店とカフェはそもそも定義に若干の差があり、業務の根幹となる取扱う法律や、あるいは提供できるメニューの範囲など、似ているようで確かな違いが存在しています。一世代前までは、確かに喫茶店が若者の間の主流だったはずです。しかし現代で言えばどちらかと言うと、カフェというおしゃれの代名詞のようなお店が一般的となっています。

カフェにも喫茶店にも、それぞれの時代に見合ったパンケーキが提供されるお店は多かったでしょう。しかし喫茶店では、オーソドックスな作り方がほとんどだったのではないでしょうか。表面を満遍なくきつね色に焼き上げ、溶けたバターが少しずつ滲みこんでいく生地はしっとりと柔らかかったはずです。こんがりとした色合いに見合った香りは香ばしく、メープルなどのシロップの甘さと相まって絶妙の濃厚な匂いを醸していたはずです。

その一方で現代のカフェでは、平たくこんがりと焼き上げるタイプのパンケーキばかりではありません。見た目はほとんどケーキのようであり、しかしパンケーキの原型的な部分は温存されたままです。今も昔もどちらも甲乙つけがたい存在感を放っていますが、素朴な味わいだけはいつの時代も変わらないでしょう。