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ずっと愛され続けるパンケーキ

砂糖の台頭

今よりももっと古い時代の日本では、砂糖がとても高価で貴重な物でした。ただでさえ安易に手に入る時代ではなかったため、砂糖を使った菓子類などはより一層手に届きにくいものだったでしょう。子供たちは滅多に食べられないお菓子を憧れの眼差しと共に眺めていたはずです。もしも何かの機会で手に入ることがあったならば、とても大切に味わって、ゆっくりと時間をかけながら噛みしめていたでしょう。

しかしそのような貧しい頃から時代は移り変わり、今では砂糖はスーパーやコンビニなどで手軽に入手することができます。高価か安価かと言われれば、おそらくは少なくとも高いものという認識はしていないでしょう。高級と名のつく厳選された砂糖も中には存在していますが、基本的に誰にでもよく使用されているのは安価な白砂糖であることが多いはずです。

いつでもどこでも手に入るものとなった砂糖が豊富にある現代において、砂糖を使って作られる食べ物はどういったものでしょうか。煮物用や隠し味の調味料として、砂糖を使用する家庭は多いでしょう。しかし砂糖を使って作る料理から最初に連想するのは大体の人が甘いスイーツなのではないでしょうか。

砂糖をふんだんに使ったスイーツにもいくつかの種類があります。アイスクリームやプリンなどであれば、全体に対する砂糖の割合も非常に多いでしょう。中にはほぼ十割砂糖で作るお菓子なども存在し、砂糖菓子と言われるようなものは文字通りの作成工程を辿るはずです。

一方で甘さは控えめにしながらも、砂糖の風味を損なわずに甘さを生かしているスイーツもあります。例えばパンケーキなどはそのうちの一つだと言えるでしょう。パンケーキにはケーキと名のつくように、甘さを引き立てるような作り方が工夫されています。しかし目の前にあるパンケーキを口にしてみると、確かに甘い香りはするものの、生地そのものは甘いだけの食べ物ではないことが分かるでしょう。パンケーキにはほんのりとした甘さをしみこませ、その上からかけたり近くに添えたりするシロップやソースなどのトッピングを一層引き立たせるように工夫されています。砂糖が手軽に入ってくる時代であるからこそ、砂糖を使う量をものによって区別する発想が生まれてくるのです。

砂糖がある時代とは、料理やスイーツのレパートリーが広がる豊かな時代です。資源のあるこの状況に感謝しながら、ほのかに甘い味わいを秘めたパンケーキを楽しみましょう。